物価上昇の中、賃貸物件の家賃も上昇していると報じられています。例えば東京23区内の単身者向け賃貸マンションの平均家賃は、5月で昨年の同じ月より12%余りも上昇し、11万3,000円を超えたとのことです。
貸主から「家賃を値上げします」と通知を受けたが大幅な値上げでとても払えない、という場合もあると思います。 家賃の値上げを通知されたらどうすればいいのか、法的なポイントをいくつかご紹介いたします。
Q.貸主から家賃の値上げの通知された場合、必ず応じる必要はあるのか?
A.賃貸借契約は借主、貸主の双方の合意が必要です。
「借地借家法」では、一度契約した後は借主が保護されるルールが定められています。
この法律では、貸主による一方的な家賃の値上げは認められておらず、借主は必ず値上げに応じる必要があるわけではありません。
家賃の値上げは主に契約更新時に行われますが、借主の同意がなければ値上げはできません。
一方でこの法律では、固定資産税など税金の増加、経済事情の変動、周辺の土地・建物の価格上昇などにより、貸主が家賃を値上げする権利が認められています。
例えば単身者向けマンションの場合、2倍超えの値上げが認められることはほぼありませんが、上記のような理由により数千円程度の値上げは認められることが多いです。
Q.値上げを拒否したらどうなるのか?
A.家賃の値上げは、貸主と借主のお互いの合意がなければ成立しません。
値上げに応じなければ直ちに強制退去となるわけではありません。
ただし、家賃を滞納すると債務不履行となり、契約解除の対象となる可能性があります。
借主側は、家賃の値上げに応じられないとしても、従来の家賃を支払い続けることが重要です。
また、借主や管理会社からの連絡を無視するなどの対応をとると、警察立会いの下自宅に訪問される可能性もあります。
Q.値上げに応じられない場合、どうすればいい?
A.前提として、借主側は安易に値上げに応じず、断れるということを知ることが大事です。
その上で、完全に拒否や家賃滞納などの強硬手段に出るようなことはせずに、貸主側と誠実に交渉することが大事です。
自身の収入なども示し、どの程度なら値上げに応じられるか話し合うことも必要かもしれません。
Q.貸主と借主で折り合わない場合、どうなるのか?
A.当事者間の話し合いで決着がつかない場合は、法的な手続きにより解決を図っていくことになります。
まずは裁判所で第三者を交えて話し合う「調停」、それでも解決しない場合「訴訟」となります。
<まとめ>
・ 貸主から家賃の値上げの通知された場合→借主、貸主の双方の合意が必要
・ 値上げに応じなければ直ちに強制退去となるわけではない→ただし家賃滞納などは契約解除の対象に
・ 借主は値上げに安易に応じず、貸主と誠実に交渉することが重要
(交渉がまとまらない場合、自治体の相談窓口や専門家に相談も)
*参考
京都府住宅供給公社 住宅相談所
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