新型コロナワクチンをめぐり、科学的根拠がなかったり、明らかな誤りであったりする情報が巷に氾濫しています。ワクチン接種をするか、しないかは個人の自由ですが、誤った情報に惑わされてはなりません。ワクチンに関する正確な情報発信を推進する研究者、専門家たちの資料に基づき、誤情報に関する見解を Q&A 方式にまとめました。参考にしてください。(朝鮮総聯新型コロナ対策室2021.7.1)
*この Q&A は、新型コロナやワクチンに関する正確な情報発信を推進する⽇⽶の専⾨家によるプロジェクト「こびナビ」を参考にしています。
Q:若い世代は重症化しないのでは?
A:いいえ、これから蔓延すると思われる、デルタ株(インド株)は従来株より感染⼒が⾼く、⾼齢者はもちろん 20 代から 40 代の⽐較的若い世代においても、重症化するという症例が報告されています。
Q:ワクチンの効果が期待できないのでは?
A:いいえ、ファイザー社とモデルナ社のワクチンは 1 回の接種で 30%以上、2 回の接種で 90%以上の発症予防効果を得られることが分かっています。従来株はもちろんデルタ株においても、予防効果や重症化のリスクを軽減することが期待できるといわれています。
Q:治験で実験⽤のネズミやネコが 2 年以内で死んだと聞いたのですが?
A:そもそも、コロナワクチンの動物実験が⾏われて、まだ 2 年もたっていません。また、実験⽤のネズミの寿命⾃体 2 年程度です。ヒトに関する研究の前段階としての動物実験でネコは使われません。
Q:まだ安全性が確認されていないと聞いたのですか?
A:⽇本で主に使⽤しているファイザー社とモデルナ社のコロナワクチン(mRNA ワクチン)は、基礎研究、動物実験、治験などが省略されることなく実施され、リスクを上回る臨床的に意味のある有効性が確認されています。その上で、いつまで効果が持続するかという⻑期の有効性を確認するための治験が継続して⾏われています。
Q:ワクチン接種による副反応や⻑期的な安全性について知りたいのですが?
A:mRNA ワクチンは半⽇から数⽇で分解され、ワクチンにより作られるスパイクタンパクも約 2 週間以内でほとんどがなくなります。アナフィラキシーの症状は接種後に現れますが、接種会場で待機している医師たちが処⽅にあたることになっていますので、それほど⼼配しなくてもよいと思われます。これまでのワクチンでも、副反応が⻑いあいだ続いたという症例もなく、⻑期的な安全性について特段の不安があるということはないと思われます。⼼配であれば、かかりつけの医師に事前相談することをお勧めします。
Q:12 歳から 15 歳までの⼦供に対するワクチン接種は⼼配です。
A:12 歳から 15 歳までの⼦供に対する、ファイザー社製ワクチンの臨床試験結果が論⽂として公表されました。この臨床試験は、12 歳から 15 歳までの 2260 名が対象で、半数にはファイザー社製のワクチンが 2 回投与され、残りの半数には偽薬が投与されました。その結課、ファイザー社製ワクチンの安全性と⾼い効果が確認されました。副反応は 16 歳以上と同様の傾向で、局所の疼痛、全⾝倦怠感、頭痛などが⾒られましたが、1 ⽇から数⽇で軽快しました。2 回の接種により獲得される中和抗体の量は、16 歳から 25 歳に⽐べて約 1.8 倍程度⾼いこともわかりました。偽薬投与群では 16 名が新型コロナウイルスに感染し発症しましたが、ワクチン接種群では発症者は認められませんでした。
Q:不妊が起きると聞いたのですが?
A:これまでのワクチンで不妊が起きたことはありません。コロナワクチンでも不妊が起きるという科学的な根拠は全くありません。アメリカで⾏われた研究でも、流産や早産、先天形態異常が起りえないことが確認されています。
Q:ワクチンが卵巣や精巣に蓄積すると聞いたのですが?
A:ごく微量のワクチンが⼀時的に付着したということはありますが、蓄積するというのは明らかな誤りです。ワクチンが卵巣や精巣に蓄積することはありません。したがって卵⼦や精⼦に影響を及ぼすこともありません。
Q:遺伝⼦が組み替えられると聞いたのですが?
A:⽇本で主に使⽤しているファイザー社とモデルナ社のコロナワクチン(mRNAワクチン)は、病原性を弱毒化して製造した従来のワクチンと違い、ワクチンが遺伝⼦に組み込まれる可能性はありません。ヒトの遺伝情報は DNA の形で細胞の核の中に保存されていますが、mRNA は細胞の核に⼊ることができません。