昨今、新型コロナウイルス感染拡大による営業自粛等で特に大きな影響を受けている、中堅・中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧とするための給付金=「持続化給付金」に関して、受給資格がない消費者へ不正受給を持ちかける事例が多くあると言われています。
皆さんも知らず知らずのうちに被害に合う可能性があります。ご注意ください。
下記に相談事例を紹介します。
また、玄政和(ひょん・ちょんふぁ)弁護士に持続化給付金の不正受給はどんな罪に問われるかについて寄稿をしていただきました。
※上記内容のご相談、または新型コロナウイルスに関する補助金および助成金に関するご相談がありましたら、京都同胞生活相談センターまでご連絡ください。
Mail:kyoto.tonpocenter@gmail.com
▲持続化給付金とは?
感染症拡大による、営業自粛等で特に大きな影響を受けている、中堅・中小企業、小規模事業者、フリーランスを含む個人事業者に対して、事業全般に広く使える給付金制度
▲相談事例
学生時代の友人から無料通話アプリにメッセージが届いた。特定の会社を通じて持続化給付金を申請すると、サラリーマンでも無職でも100万円の給付金が受け取れるという。 その会社が前年度の確定申告書類を作り、申請するようだ。その会社の名前を聞いたところ「名前はないが、税理士がついているので心配ない」とのことだが不審だ。「給付金を受け取った場合、その6割を会社と税理士に支払うことになる」と言われた。私は断ったが、友人はこの会社を通じて給付金を受取りたい人を探しているので、紹介料があるのかもしれない。
▽受給資格がない人に持続化給付金の不正受給を持ちかける手口のイメージ
(以下、玄政和弁護士の寄稿)
2月16日付のNHKのWEBニュースで、持続化給付金の不正受給にかかわったとして、同月10日までに全国で509人が摘発されたという報道がありました。
被害の総額は立件された分だけでおよそ4億円に上るとのことで、警察庁によれば、「軽い気持ちで不正をしてしまった」などといった相談が全国の警察に寄せられていて、これまでに3300件に上っているということです。
持続化給付金は同月15日に申請が締め切られ、これまでの支給総額はおよそ5兆5000億円である一方、不正に受け取ったとして国に返還された総額は106億円余りに上るとのことです。
経済産業省は、自主申告により返還すれば加算金などのペナルティーは科さないとして、不正に受け取った場合は自主的に返すよう呼びかけています。
国や捜査機関が調査をすれば隠し通すことは困難です。不正をしたという認識がある場合、まずは名乗り出て受け取った給付金を返還するとともに、逮捕される可能性や起訴される可能性をできる限り低くし、仮に起訴された場合でも刑罰を可能な限り軽くするという意味でも、警察に自首することをおすすめします。
比較的若い人が他人にそそのかされて安易に不正を行っているケースが多いようですが、持続化給付金の不正受給は、明確な詐欺罪にあたり、法定刑は10年以下の懲役と重大な犯罪にあたります。
玄政和氏(弁護士/人権協会京都協議体事務局メンバー)
〔経済産業省HP〕
https://www.meti.go.jp/covid-19/jizokuka-kyufukin.html